みなさんお元気ですか。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、3密を避けるためのさまざまな行動制限でふだんとは違う暮らしを送られていることと思います。ポポフの本部があるコンゴ民主共和国東部のカフジ・ビエガ国立公園でもウイルスの襲来を受けています。まだパンデミックは起きていませんが、すでに死者は出ており、これから本格的な冬(乾季)を迎えるとウイルスが力を増しそうです。3月から公園は閉鎖されており、ゴリラツアーも停止したままです。最低限の監視パトロールは続けていますが、遠くに足を延ばすことができない状況が続いています。学校も閉鎖され、子どもたちの学びに多くの支障が出始めています。
さて、このたびポポフジャパンのオフィスを閉鎖することになりました。このオフィスは私が在籍する京都大学に場所を借りて運営してきました。この9月で退職することになり、オフィスも置いておけなくなったのです。そこで、少し休止期間を置いて、新たにどんな活動ができるかをじっくり考えてみることにしました。これまでみなさんからのご寄付やポポフグッズの申し込みを受け付けていた郵便局の振込口座も9月一杯で閉じることにしました。今後は、ポポフのウェブサイト(https://popof-japan.com/blog/)でポポフの活動をご案内させていただくことになります。
最新のポポフニュース27号に、これまでのポポフの活動とカフジ・ビエガ国立公園のゴリラの歴史を年表にして載せました。1992年に現地でポレポレ基金が創立され、1993年にポポフジャパンを設立してから27年間、コンゴの政治情勢が好転して私たち日本人が現地でさまざまな協力活動ができる日を夢見ていましたが、新型コロナウイルスが追い打ちをかけて残念ながらそれは叶いませんでした。しかし、こういう時期だからこそゴリラをはじめとする自然と人間の共生を目指す活動を続けなければいけません。もともと人間に害をなすウイルスはコウモリなどの野生動物と共生していて、自然破壊によって家畜や人間との接触が増えて感染が広がったと考えられています。それを止めるためには、地球上のすべて人々が協力し、私たち人間の暮らしを変えることが不可欠です。ポポフはその最前線に立っているのです。
実は、ポポフの顧問のバサボセさんが、この8月に京都で開催される京都大学アフリカ同窓会に出席する予定でした。しかし、コロナ禍でそれもオンライン開催となり、来日することができなくなりました。そこで、8月7日~9日に京都の堺町画廊(https://sakaimachi-garow.com/blog/)でポポフ展を開催します。これまでポポフグッズを制作してくれたダヴィッド・ビシームアやビチブ・ムフンブーカの作品をはじめ、これまでまだ公開したことのないコンゴやアフリカの作家の作品を展示・販売します。ぜひいらしていただき、ポポフジャパンの27年間を語り合ってください。会場に来られない方には、ホームページ上でもご覧いただけるようにいたします。
みなさんのご健康とご健勝を切に祈っております。どうかご自愛ください。
7月5日
ポポフジャパン代表 山極壽一