春になりました。皆さんお元気ですか。新型コロナウイルス感染症もやっと減少する兆しを見せ始め、私たちも少しずつ集まれるようになってきました。
さて、昨年の9月末にポポフのオフィスを閉じてから、ポポフの主だった活動を中断してきましたが、新年度からポレポレ(ぼちぼち)と再開しようと思っています。
まず、現地の状況ですが、ポポフの代表者ジョンさんの報告によると、新型コロナウイルスの感染は限られていて、パンデミックにはなっていない様子です。むしろ海外から感染者が入国するのを恐れているようです。そのため、カフジ・ビエガ国立公園の観光客の受け入れは昨年3月以来停止しています。ただ、人なれしたゴリラ集団のモニタリングは細々とではありますが実施していて、だいたいの動向は把握できています。
気になることは、昨年の12月末以来、人気者のチマヌーカが行方不明になっていることです。チマヌーカの息子ボナネがメスを連れ出して新しい集団を作って以来、チマヌーカは遠くへ遊動域を移してしまいました。そのため、なかなかチマヌーカ集団の所在を確かめることができなかったのですが、どうやら3か月近く姿を確認できていないようです。これまでの例からすれば、死亡したと考えてもいいような気がします。チマヌーカは1985年生まれですから、もし亡くなったとすれば35歳。少し早すぎるような気もしますが、ルワンダの火山国立公園で私が親しくしていたマウンテンゴリラのタイタスが亡くなったのも35歳でした。そのくらいが野生のゴリラの寿命なのかもしれません。
バサボセさんの報告によると、中央科学研究所近くのチバティでずっと追跡しているゴリラのガニャムルメ集団とチンパンジーのカボゴ集団は変わりがありません。トラッカーの人たちも元気で毎日ゴリラやチンパンジーの寝場所を確かめ、糞の内容物から彼らが食べたものを調べています。チバティで私たちが本格的な調査を始めたのは1991年で、今年は30周年に当たります。そこで、バサボセさんは今年の11月に、ゴリラとチンパンジーの同所的共存についての研究開始30周年記念式典とシンポジウムをやろうと計画しています。場所は現在バサボセさんが勤務しているブカブ大学で、ゴリラツアーも企画しているようです。また、詳しいことが分かったらお知らせします。
ポポフ日本支部では、以下のようにポポフバザーを予定しています。これまでに蓄積したポポフグッズやゴリラの写真、絵画、彫刻、アフリカの民芸品などを販売します。売り上げはいつものように現地のポポフの活動に寄付します。ネットで作品を見て購入できるように工夫するつもりです。ぜひご参加ください。
ポポフバザー
4月16日(金)~18日(日)