ポポフ創立メンバーのジョン・カヘークワ(John Kahekwa)さんが「アフリカ保護のためのプリンス・ウィリアム賞」Prince William Award for Conservation in Africaを受賞しました。
下記のリンク先にはジョンさんの受賞とポポフの紹介が書かれています。
ジョン自身のナレーションによる動画も掲載されています。
http://tuskawards.com/john-kahekwa/(英語)
【Tusk Awrad】
この賞は2013年に創設され、アフリカで卓越した自然保護の業績をあげた個人に授与されるもので、とくに実践的なフィールドワークと環境教育の成果が対象となります。1990年台からアフリカの自然保護を目的に活動を続けていたTusk Projectが、2003年にNPOとしてニューヨークに本部を置くようになり、2005年にはイギリスのケンブリッジ公ウィリアム王子がパトロンとなりました。以来、TuskはPan African Conservation Education (PACE)と呼ばれる環境教育や自然保護に関する持続的な政策に資する教材や映像を提供してきました。今までに、アフリカで15万人以上の子どもたちがこのプログラムを受けています。
授賞式は、昨年11月30日にロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で催されました。ジョンは授賞式に出席するために1ヶ月前からヴィザ取得などの準備をして、かろうじて受賞前日にロンドンに到着しました。授賞式では、ウィリアム王子がWilliam Awardをジョンへ授与し、デヴィッド・アッテンボロー氏が南アフリカとアンゴラの自然保護官にそれぞれTusk Conservation AwardとWildlife Ranger Awardを授与しました。
ジョンの受賞理由は、25年にわたってポレポレ基金の代表者としてゴリラを初めとする野生動物の保護に尽力し、相次ぐ内戦にもかかわらず住民たちの環境教育に貢献した功績が認められたということです。とくに、子どもたちに対する環境教育は大きな貢献として評価されたと聞きました。
授賞式でジョンは、カフジのゴリラにとって致命的な時期にこの賞が贈られたことに感謝の意を述べました。昨年、カフジ一帯に生息するヒガシローランドゴリラは、マウンテンゴリラと同じ「高い絶滅の危機に瀕する」(Critically Endangered)種としてIUCNのRed Listに登録されたからです。また、コンゴ民主共和国では内戦を恐れて観光客の足が途絶え、ゴリラを保護するための基金が得られない状況であることも訴えました。しかし、ジョンは希望を失ってはいないこと、ゴリラといっしょに過ごす魔法のような時間を子どもたちの世代が、そしてウィリアム王子の子どもたちが味わえる日がきっと来ると述べました。また、この賞はカフジ・ビエガ国立公園で働くすべての人々、ポレポレ基金の仲間、妻のオデットや子どもたちと分かち合いたいと感謝の言葉で締めくくりました。とても感動的なスピーチだったそうです。
ポポフ日本支部 山極寿一